雇用保険の特定理由離職者とは?給付金延長の条件解説

  • 公開日:2025/9/30
  • 最終更新日:
  • 雇用保険の特定理由離職者とは?給付金延長の条件解説 はコメントを受け付けていません

「特定理由離職者」は、やむを得ない事情で退職した方が一般的な自己都合退職とは異なる取扱い(給付制限の免除・短縮、受給資格の算定緩和など)を受け得る区分です。本記事では、似ているようで実務上の線引きが重要な「特定受給資格者(会社都合側)」との差、代表ケース、給付日数・開始時期の特例、申請のコツを整理します。

📌 この記事でわかること

  • 「特定理由離職者」と「特定受給資格者」の正しい区分と代表例
  • 雇止め(更新希望あり等)の暫定特例と、正当な理由のある自己都合の基本枠
  • 給付開始までの「給付制限」最新ルール(2025年4月1日以降 原則1か月 / 例外3か月)
  • 受給資格の「6か月要件」特例と、受給期間延長の上限
  • ハローワークでの実務的な申請手順とチェックリスト

重要な注意事項

  • 給付金・受給条件は個人の状況により異なります(離職理由コード・就業状況・証明資料 等)。
  • 詳細はハローワークの窓口でご確認ください
  • 制度は変更される場合があります。最新情報は公式案内をご確認ください。

特定理由離職者とは?(定義と位置づけ)

「特定理由離職者」は、やむを得ない事情のある自己都合退職一定の有期契約満了(更新希望あり等)で離職した方が該当する区分です。似ている用語に特定受給資格者(会社都合側)があります。ハラスメントや著しい労働条件の不利益変更は特定受給資格者側に列挙されるため、「特定理由離職者」には含めません(代表例は次セクション)。

《特定受給資格者の代表例(会社都合側)》

  • 解雇(重大な理由による解雇は除く)
  • 倒産・事業所の廃止・大量雇用変動 等
  • 明示労働条件と実態の著しい相違
  • 賃金の未払い / 賃金が85%未満に低下(予見不能)
  • ハラスメント(セクハラ・マタハラ等の不利益取扱いを含む)
  • 長時間残業が著しく健康を害する恐れ 等

※上記は代表例。判断は最寄りのハローワークの審査によります。

《特定理由離職者の代表例(自己都合側の正当理由)》

  • 雇止め(更新希望あり等)※「更新明示あり」や反復更新後の非更新を含む一部
  • 病気・けが・障害・体力の不足 等
  • 妊娠・出産・育児 / 介護 / 家庭の急変
  • 配偶者の転勤等に伴う通勤困難 / 住所変更による通勤困難
  • 災害や公共交通の大幅変更 等による通勤困難

※「給付制限の正当な理由」認定基準と同様の考え方で判断される旨が公式に補足されています。

用語の補足:「特定理由離職者」の判断は個別審査です。自己申告だけでなく、離職理由が裏付く資料(医師意見書・転勤辞令・保育所不承諾通知・契約書/就業規則 等)を用意しましょう。

所定給付日数(もらえる日数)の考え方と雇止めの暫定特例

所定給付日数は、年齢と被保険者期間に応じて決まります。一般的に、会社都合側(特定受給資格者)は90~330日、それ以外は90~150日が基本枠です。ただし、特定理由離職者のうち「雇止め(更新希望あり等)」は、2009年4月1日~2027年3月31日(令和8年度末)に限り特定受給資格者と同じ日数として扱う暫定特例があります(継続中)。
一方で、病気・育児・介護・配偶者転勤等の「正当な理由のある自己都合」は、一般の離職者枠の算定が基本です。

区分所定給付日数の基本枠注記
特定受給資格者(会社都合側)概ね90~330日倒産・解雇・著しい条件相違・賃金85%未満 等
特定理由離職者(雇止め:更新希望あり等)2009/4/1~2027/3/31特定受給資格者と同日数暫定特例の適用期間に留意
特定理由離職者(病気・育児・介護・配偶者転勤 等)90~150日(一般の離職者枠が基本)個別事情により異なるため窓口確認が前提

内部リンク:雇用保険の受給資格がない・不足する方や、訓練受講での特例は「求職者支援制度の全貌!特定給付・訓練延長の条件」もあわせてご覧ください。障害年金の受給と訓練の併用・例外は「障害者年金受給中の職業訓練!10万円支給をハローワークで受け取る方法と条件」で解説しています。

給付開始時期(待機と給付制限)の最新ルール

① 待機7日

受給資格決定後はまず7日間の待機。この間は支給されません。

② 給付制限の原則

  • 2025年4月1日以降の離職:原則1か月
  • 2025年3月31日以前の離職:原則2か月
  • 例外で3か月:過去5年以内に自己都合離職を2回以上で受給資格決定を受けた場合、または「自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇(重責解雇)」

給付制限の起算日は「待機満了の翌日」が一般的です。

③ 免除となる場合

正当な理由のある自己都合」と認定される場合(=特定理由離職者(2群)に該当)は、給付制限がかからない(開始が早い)取扱いが一般的です。判断は窓口の個別審査です。

ワンポイント:2025年4月以降は、自ら教育訓練等を受けた場合の給付制限解除の拡充もあります。内容・要件はハローワークでご確認ください

受給資格の算定:6か月要件の特例とチェックリスト

通常は「離職前2年間で被保険者期間が通算12か月以上」が基本ですが、特定受給資格者および特定理由離職者離職前1年間で6か月以上の特例で受給資格を得られる一般的な取扱いがあります(審査あり)。

確認ポイント目安
被保険者期間原則「直近2年で12か月」/特定受給資格者・特定理由離職者は「直近1年で6か月」特例あり
離職理由の根拠資料医師意見書・転勤辞令・雇用契約書・就業規則・保育所不承諾・交通系の告知 等
求職活動の意思・能力離職後の就業意思、就職可能な健康状態(延長申請中は除く)
給付制限の有無「正当な理由」認定なら給付制限なしが一般的/該当しない自己都合は1か月(原則)

受給期間の延長:上限と実務のポイント

病気・妊娠・出産・育児・介護・被災・起業中 等で30日以上働けない場合、受給期間(原則1年)を最長3年まで延長できます。
所定給付日数が330日/360日の方は、延長できる期間の上限が3年−30日 / 3年−60日となり、合計で最長4年の受給期間となるケースもあります(延長=支給対象期間の延長であり、給付日数自体は増えません)。

  • 延長申請はできるだけ早期に。遅れると全日数を使い切れない可能性があります。
  • 育児・起業等の特例もあり。詳細は必ず窓口で確認してください。

ハローワークでの申請手続き(実務フロー)

  1. 離職票の受領(会社から交付)。離職理由コードが実態に沿うか確認。
  2. 求職申込み・受給資格決定(本人確認・雇用保険被保険者証・マイナンバー等)。
  3. 離職理由の立証資料を提出(医師意見書、契約書、転勤辞令、保育所不承諾 等)。
  4. 初回説明会・失業認定(待機7日、必要に応じて給付制限の扱いの説明)。
  5. 受給期間延長が必要な方は、30日以上働けない状態になった日以降に申請。

編集部注:本記事の内容は一般的なケースの整理です。個別判断(資料の有無・離職理由の認定・地域運用差)により結論が変わり得ます。最寄りのハローワークでご確認ください。

ケース別・簡易給付判定フロー(目安)

ステップA:区分を見極める

  1. 会社都合側(倒産・解雇・ハラスメント等)→ 特定受給資格者の可能性
  2. 自己都合側で正当な理由あり(病気・育児・介護・配偶者転勤 等)→ 特定理由離職者(2群)の可能性
  3. 有期契約の雇止め(更新希望あり等)特定理由離職者(1群)

ステップB:日数と開始時期の目安

  • 日数:雇止め(1群)~2027/3/31まで会社都合側と同日数の暫定特例
  • 開始:正当理由あり→給付制限なし/正当理由なし自己都合→1か月(2025/4/1以降)、例外3か月

早めの個別相談が近道です。離職理由コード・根拠資料の整備次第で取扱いが変わり得ます。
「自分はどちらの区分で、いつから・何日もらえるか」を最短で確かめるには、最寄りのハローワークへ。

不安な方は、区分・開始時期・必要書類の下書きを一緒に作りましょう。
「給付制限の有無」「受給期間延長の要否」も併せて整理します。

無料チェックリストを受け取る

年収シミュレーション計算機

給与条件、スキル、経験年数などから年収をシミュレーションできます。転職・キャリアプランの参考にお役立てください。

免責事項

本ツールは転職や求人における年収シミュレーションを支援するものであり、結果の正確性や実際の年収を保証するものではありません。ご利用は自己責任でお願いいたします。

基本情報
スキル・資格
※該当するものをすべて選択してください
給与条件

シミュレーション結果

推定年収
0
万円
想定年収範囲
00 万円
市場平均と比較
-

内訳

項目金額(年間)
基本給0万円
賞与0万円
残業代0万円

年収アップ要因

    収入アップのアドバイス

      市場データ

      選択した職種の平均年収
      0万円
      選択した経験年数の平均年収
      0万円
      ※このデータは2025年3月時点の市場平均に基づいています。
      ※個人の能力や企業の評価制度により実際の年収は変動します。

      関連記事

      コメントは利用できません。

      カテゴリー

      ページ上部へ戻る